今月の本 3

「事務ミス」をナメるな! (光文社新書)

「事務ミス」をナメるな! (光文社新書)

そうだなって思った、3件。

  • 情報の複線化

補強用の情報を付け加えることを「情報の複線化」といいます。(p.98)

もし「中村さんが―」と言ったとして日本中に中村さんは何人いるんだよって話です。絞るには「近所の中村さんが―」と特定するための情報を加えていくわけですが、近所の、ではもし近所に中村さんが二人かつその事実を相手が知らなかったとき誤解のあるまま話が進んでしまいますね。「近所の"よくヘッドホンつけて散歩している方の"中村さん」とか、できる限り1つに特定できるようにすることと会話のなかで共通認識で話が進んでいるか確認すること。それがコミュニケーションですよね。

"管理"とか"大体"とか、よく使う言葉であってもその言葉で表現したいことは人それぞれ違うもの。

  • トレーサビリティ

品質の半分はトレーサビリティで決まります。
(中略)
いわゆる「品質それ自体」と、「追跡可能化情報」の二つが揃って、はじめて真の品質が成り立ち値段が定まるのです。(p.120)

トレーサビリティは問題が起こった時に役立てるものというつもりでいましたが
追跡可能にするためには記録をミスしてはいけない、記録するときにおかしなところがあればそれに気付かなければならないわけで結局品質向上につながると。
この本での"お気に入りの一文"です。

  • 通達の膨大化を食い止める

明確に言い切ること(何をすれば良いのかが曖昧な指示や、「ご参考まで」の情報を書かない)。(p.201)

"やったほうがいいよね"は際限なく増えるもの。明確な目的がないからアウトプットの形式、量もバラバラになってしまい結局役に立たない作業が増えただけになってしまいがちなもの。
"いつ使う" "どう(なにがあったときに)使う" を答えられずに"やったほうがいいよね"と言ってしまっていることはないか...あるな。目的を明確にするのって大変な作業ですからね。"やったほうがいいよね"は楽なほうに考えが逃げてしまっているということですね、図星。




全てを総合して、判断を受け取り手に委ねるのではなく自分が決める、という意志。足りないもの。