今月の本 1

日本の大和言葉を美しく話す―こころが通じる和の表現

日本の大和言葉を美しく話す―こころが通じる和の表現

「もてなし」
もてなしとは、自分の趣味、生き方、相手への思いなどを、丁寧に、正直に表現し、両者の心の間で響きあう何かを見いだして、その喜びを共有すること。


それぞれの言葉から思い出されるのは、あの頃やあの人との懐かしいシーンの断片。ふるさとと呼ぶかもしれないもの。大和言葉からなぜか柔らかい感覚が思い起こされるのは不思議なものです。言葉が動詞から成り立っていたり、行動が見える言葉だからでしょうか。

ごゆるりと、おからかいを、いましがた、いささか、お厭いください、ゆるがせに、誂え、心を寄せる―
どれも情景が感じられます。少しふざけて冗談のように使ったその言葉も、人の声が綺麗に聞こえて真似し始めたその言葉も、いつしか身に染みて心の一部になっていたのかもしれません。