『クリティカル・リーディング』

文章を論理で読み解くための クリティカル・リーディング (NHK出版新書 377)

文章を論理で読み解くための クリティカル・リーディング (NHK出版新書 377)


「文章を論理で読み解くためのクリティカル・リーディング」読了。

どんな本?

たくさんの例題、練習問題があります。文章同士の関係性を分類、整列することで
主張と論拠を正確につかむ練習をする本です。

何が分かった?

序盤に「演繹的」と「帰納的」の説明があります。
演繹的=前提が真ならば結論も必ず正しい/帰納的=前提が真でも結論が正しいとは限らない
とのことです。帰納的には推論が含まれますが、しかし間違った展開の仕方ではなく、
"論証の飛躍は議論の発展に不可欠"という言葉は目からウロコでした。

何か引っかかった?

論証の飛躍は必要なことといっても、あまり飛躍してしまうと読み手に理解してもらえません。
また、原理原則・定義を事実として扱って読み手が理解できるのか*1、解説・証明する必要があるのか...
会話であればどこまでが共通理解を確認しながら進めていけばよいのですが
文章を書く場合、どこまで用語や定義を使用していいのか迷っています。

雑感

学校での国語教育を振り返ると接続詞の穴埋めだったり、作者・登場人物の心情理解だったり
明確でないことを推測して意図を読み取る教育でした。
これは指示語を減らし、読み手が誤解しないよう、話の展開が納得できるように書く、という論文の書き方と反対方向です。
(ちょうど仕事で『"確立"って言葉は曖昧だからもっと具体的に書いたほうがいいよ』ってアドバイスもらったばっかりでした、なんてタイムリー)
学校の国語で教えることは教養=文学の楽しみ方であり*2、社会で必要となる論文記述はなかなか鍛える機会がないのではないでしょうか。
ということで自分にはもっと論文の練習が必要...
今の自分が論文下手なのは仕方ないのかなっていう自己弁護でした。

雑感の2

論文の書き方を期待して読んでみたら序文で「...あれっ?」*3
タイトル見直したら『クリティカル・リーディング
ちゃんとタイトル見て選びなさい、おろかもの。


*1:事実として扱えるものは"定言的事実"というらしい

*2:それは必要なことだと思います

*3:もちろん内容は書き方にも繋がりますよ